コミュしょうのお題用ブログ

注意欠陥を克服しようとしています。読んだ本や日々頭に巡ったことを残していきます。

「モモ」を読んで

世の中の不幸というものはすべて、みんながやたらとうそをつくことから生まれている

児童文学を、子どものころに読まず、30代の今になって読み、感銘をうけているタチです。

モモには、下手な自己啓発書より、すっと、核心をつくような言葉が書かれているような気がしました。学校教育で道徳の授業をしているけれど、むしろ全員モモ読んだらいいんじゃないかくらいです。

「嘘をついてはいけません」「時間を大切にしましょう」

耳が痛いほど聞かされてきたこれらの言葉。嘘をつくデメリットもメリットもわかっているし、慌ただしい中で時間を有効活用することが求められていることもわかる。

でもそれは、頭でわかっているだけのことかもしれません。

モモを読んでから、嘘をつくこともあり、時間を無駄にすることもある人間の弱さが理解でき、本当に大切なのは、嘘をつかないことでも、時間を大切にすることでもないのだと感じるようになりました。

冒頭の言葉にも、人間らしさが現れています。続きには、こうあります。

それもわざとついたうそばかりでない、せっかちすぎたり、正しくものを見極めずにうっかり口にしたりする嘘のせいなのだ

まさに、です。嘘をつこうとしてつくことって、ほとんどないわけです。


モモのすごいところは、まだあります。現代社会を予言したかのような描写がいくつもあることです。

時間泥棒に時間を盗まれた人間は、どんどん心の余裕をなくし、ついには、感情も失って行きます。次の引用部分は、まさに現代病だと思ってしまいます。

何もかも灰色で、どうでもよくなり、世の中はすっかりとおのいてしまって、じぶんとはなんのかかわりもないと思えてくる。

効率化ばかり求めていると、こうなります。

40年前には、今の世の中が作者には見えていたようですね。。

時間を無駄にしないようにとせかせか働く現代人。また、物事への関心がうすれている現代人。

なにを大切に思うかは、人によって違うし、モモの大切にしているものは、ほとんどの人には見向きもされないことかもしれません。でも、とても私には魅力的に感じました。

そんな私にも、すっっごく忙しくて、毎日に余裕がなく、周りの物事に興味を失いそうになったときがあります。そんなときこそ、大切なものってほんとうは何なのか、この本を思い出したいと思います。